弁護士が語る!団体交渉成功の秘訣:札幌の弁護士があなたの会社をサポートします
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団体交渉:札幌の弁護士が解説する使用者側の対応と心構え
「突然、労働組合から団体交渉の申し入れが来た!どうすればいいの?」 そんな風に悩んでいるあなたへ。
団体交渉は、会社と労働組合が話し合い、労働条件などを決めるための重要な手続です。しかし、初めて経験する方にとっては、不安や戸惑いがつきものですよね。
使用者側には多くの法的義務が課されており、対応を誤ると不当労働行為とみなされるリスクがあります。
当事務所では、長年の経験と実績に基づき、あなたをサポートいたします。
- 丁寧なヒアリング: あなたの会社が抱える問題をじっくりとお聞きし、最適な解決策をご提案します。
- わかりやすい説明: 法律用語を使わず、誰でも理解できる言葉で説明します。
- 迅速な対応: 緊急性の高い案件にも、スピーディーに対応いたします
以下では、団体交渉における基本的な法的ポイントと心構えについて、札幌の弁護士が分かりやすく解説します。
1. 団体交渉とは?
団体交渉は、労働組合が使用者と交渉し、労働条件の改善やルールを定める目的で行われます。使用者は法律上、「誠実に交渉に応じる義務(誠実団交義務)」を負います。この義務は、組合の要求に対してしっかりとした回答を行い、資料を提供するなど、建設的な姿勢を持つことを求められています。
ただし、「譲歩や妥協」をする義務はありません。企業としての方針や合理的な判断をしっかりと示し、誠意を持って対応することが重要です。
法律のポイント:
- 労働組合法では、正当な理由なく団体交渉を拒否することを「不当労働行為」として禁止しています。
- 使用者は、交渉の場で労働者側の主張に対して具体的な回答や資料の提示を求められることがあります(シムラ事件判決など)。
2. 使用者側の心構え
使用者が負うべき「心構え」
団体交渉は労使間の意見交換の場であると同時に、法的リスクを伴う緊張の場でもあります。以下の3つのポイントを意識することが重要です。
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主体性を持った対応
相手のペースに巻き込まれず、企業の将来を見据えた経営判断を貫きましょう。長期的視野に立った合理的な決断が、企業と従業員の双方にとって最善の結果をもたらします。 -
時間と労力を惜しまない
団体交渉は、手続きそのものが信頼関係を築く重要なプロセスです。労使間の誠意ある話し合いが、最終的な解決への道筋を作ります。 -
感情に流されない論理的対応
労働組合との交渉では、冷静かつ論理的な対応が求められます。感情的にならず、客観的な資料や根拠を示して話し合いを進めることがポイントです。
3. 困難な場面での具体的な対応例
団体交渉の場では、労働者側から厳しい指摘や要求が飛び交うこともあります。以下に代表的な場面ごとの対応例を挙げます。
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「担当者の権限を問題視されたとき」
「私は交渉権限を有しておりますが、重要事項については慎重に検討した上で次回回答いたします。」 -
「感情的な批判を受けたとき」
「誠実に対応していると確信しております。この場は建設的な話し合いを目的としたものですので、具体的なご質問をお願いいたします。」 -
「不当な長時間の糾弾が続く場合」
「これまで誠実に対応してまいりましたが、一方的な糾弾では実りある議論ができません。建設的な対話をお願いしたいと思います。」
4. 法律違反を防ぐために
労働組合法では、正当な理由のない団体交渉の拒否は不当労働行為とされます。以下のケースは特に注意が必要です。
- 労働組合が法的な要件を満たしている場合、交渉を拒否することは困難です。
- 交渉の時間や手続に関する要求が過度であっても、それだけで拒否が正当化されるわけではありません。
法的トラブルを回避するためにも、事前に法律専門家のアドバイスを受け、対応方針を明確にしておきましょう。
まとめ:弁護士のサポートで安心の団体交渉対応を
団体交渉は、経営者や管理者にとって非常に難しい場面です。しかし、適切な対応と冷静な心構えがあれば、リスクを抑えつつ建設的な話し合いが可能です。当事務所では、札幌を拠点に使用者側の立場から団体交渉対応をサポートしています。労使問題でお困りの際は、ぜひご相談ください。
附:質疑に対する応答例
担当者の立場を問題としたとき
「私は、会社から交渉権限は与えられておりますが、処理権限はあたえれておりませんので、即答は差し控えさせて いただきます。」 |
「このような重要事項につき、私一存で決定せよ、という要請自体に無理があります。」 |
「重要事項であり、私の回答権原を逸脱するものでありますので、会社の責任ある決定を要する内容でありますので、次回までに慎重に検討致し、回答致します。」 |
「私では不満のご様子でありますが、不勉強で恐縮ですが、ご参考まで、処理権限を持たない者が団体交渉に出席することがイケナイとする、法律上、判例上の 根拠を教えて下さい。」 |
法律の議論を論じ回答を迫ったとき
「その点につきましては、顧問弁護士に法的見解を求め、労働法上の問題はないとの回答を得ております。」 |
「なお、私は、法律については全くの素人でありますので、法律の論理にかかわる回答は差し控えさせていただきます。 |
「もし、必要であれば、顧問弁護士を同席させご説明する用意がありますので、お申し出下さい。」 |
顧問弁護士に法的見解を求めると回答したことに対し、あるいは顧問弁護士の関与について異議を述べたとき
「当社の顧問弁護士は、一般民事事件においては◎◎市でも活動しており、労使関係事件においては、●●党系○○○○の案件で、会社側支店長が37時間に及び数十名の組合員に監禁された事案を処理しているほか、連合関係では、後に会長となる○○氏や▲▲部長○○○○氏が関わったあの食品製造会社▽▽▽▽株式会社の案件の解決のほか、札幌地域労組,北海道福祉ユニオンはもとより、札幌地区連合、パートユニオンとの労使問題をすべて円満解決した弁護士であり、会社としても、あるべきスジを通す弁護士であることを確信しております。」 |
必要以上に詳細な説明を求めたり、同じ質問を繰り返すとき
「先ほどもご説明申し上げましたとおり、・・・(リピート)。」 |
対応が無責任であるかのように迫られたとき
※(「法律について全くの素人、とは何事か。担当者がそれでよいのか。・・・」の類)
「私は、誠実かつ十分な対応をしていることを確信しております。私の対応に対するご意見は、貴殿の主観的な判断に過ぎませんし、そもそも、この場は、私の対応の是非を論じる場ではございません。他に何か建設的なご質問はございませんか。」 |
「組合が、会社の回答は納得できないと言ったら、会社はどうするのか。」
「ただ今の発言は、組合側としては話し合いの余地がないので団体交渉を打ち切るという趣旨のご発言でしょうか。」 |
会社側と致しましては、組合が提示された問題について、皆様のご理解をいただけるよう、これまでどおり必要な説明を行っていく所存であります。」 |
相当な時間が経過するも無意味な糾弾的発言が続くとき
「会社側と致しましては、実りある議論を行いたいと考えております。これまで、誠実に対応して参りましたが、そのような一方的な発言を続けられるのであれば、話し合いのしようがございません。」 |
その他
「仮定の質問にはご回答できません。」 |
「抽象的なご質問にはお答えできません。」 |
前田尚一法律事務所の顧問企業の専務A氏とのエピソード
私がこれまで担当してきた事例を見ても、社長が従業員を解雇して、紛争に発展し、労働組合問題が発生し、収拾がつかなくなりかけたこともあります。
1990年代以降、集団的労使紛争も減少し、これに代わって、個別労働紛争の増加傾向が顕著であり、労働審判です。
しかし、労働者が解雇・雇止めに際して労働組合に加入し、その組合が行った解雇撤回などを求める団体交渉申入れについて、使用者が拒否するなど、個別労働紛争を原因とする集団的労働紛争が発生しています。
<前田尚一法律事務所の顧問企業の専務A氏とのエピソードを紹介します>
前田:お付き合いのきっかけは、もう十数年前になりますね。
A氏:私が専務に就任して間もない頃です。社長である父が、B氏を解雇したことがことの始まりでした。
そこに目を付けたのは父の側近であったC氏です。
営業成績を上げられず、父との関係が悪くなっていたC氏は、B氏の解雇を好機とみて音頭をとり、
他の従業員を引き入れ地元の上部団体に駆け込み労働組合を結成しました。
前田:専務が対応されましたね。
A氏:2回目の団体交渉から私一人で団体交渉に臨みました。上部団体の関係者も数名いました。
前田:大変だったでしょう。
A氏:毎日眠れませんでした。十数名から罵倒される日々でした。
前田:私がお手伝いをすることになったのはその頃でしたね。
A氏:組合側は私に一方的な要求を迫ってばかりでしたが、先生同席によって好転しました。
前田:そうは言っても、相手は戦術を変えてきましたよね。
A氏:さすがはその道のプロ。
「社長を出せ」とか「会社の決算書を出せ」などと本論とは関係のないことを要求してきましたが、
先生のおかげで社長が出席することも決算書を提出することもなく妥結できました。
前田:組合ができるとそれまでとは異なる対応が必要ですからね。
「社長を出せ」とか「会社の決算書を出せ」などという要求を、経営者が本気で白黒つけようとすると、経営者には意
外ですが、法律上は、負けになってしまいます。
A氏:何を決めるにも組合を通せと要求されます。昇給時期になると春闘で団交を繰り返す日々。
組合が突然ストを決行すると言い、そのシンパが何十人も会社の周りに集まったこともありました。
大変でしたが、先生とあらゆる場面を想定して、組合の思うままにはならないように対応できました。
前田:プロとして、経営者がひるむ方法は熟知している反面、想定外の手段をぶつけると、いつもパタンどおりに成功して
いるだけに、対応ができませんね。そこが、流れを大きく変える、まさにターンニングポイントですね。
そういえば、組合がいつもどおりの常道が功を奏せず、北海道労働委員会まで持ち込んだこともありましたね。
A氏:その時も組合側は「社長を出せ、決算書を出せ」と言い出したのに、相手側の要求に応じることなく、想定した内容
での解決ができました。先生の一挙一動を横で見ていて、さまざまな対処法があるものだと感心してしまいました。
前田:そうですね、北海道労働委員会は、労使間の紛争解決を図る北海道の行政機関。
しかし、経営者側からすると労働者側・労働組合側寄りで処理する傾向があります。
専務が対応した案件のときの労働組合のように、北海道労働委員会の常連もおり、北海道労働委員会もそれなりの
対応をするように思えます。別の案件で何度か、中央労働委員会に持ち込んだことがありますが、全く姿勢が違いま
す。中央労働委員会に持ち込んでも、労働事件に慣れない弁護士が知らない運用があるほか、北海道労働委員会で
実現できなかった結果を導くためのいくつかの有効な手段もありました。
ところで、現在の労使関係はいかがですか。
A氏:和解が成立してまもなく、B氏は、個人的理由で退職しました。もともと、労働組合が結成された原因が、B氏への 解雇通知だったのですが、おっしゃるとおり、状況をきちんと押さえ、緻密に対応しておけば、トラブルが発生して おらず、労働組合も結成されなかったことも理解できました。
C氏は、C氏以外の組合員全員が組合を脱退してまもなく、病気を理由の会社をさぼっていたことが明るみになり、
会社を退職していきました。
こうして組合は自然消滅しました。以降、労働問題は全く発生していません。
「労働組合対策・団体交渉・不当労働行為」の実際ついては
こちらをご覧ください。
団体交渉マニュアル『ACTION PROGRAM “団交”対応メモ』[復刻版]は、こちら。
プリントアウトしてご活用ください。
「労働組合」・「団体交渉」対策全般については
こちらをご覧ください。

前田尚一法律事務所 代表弁護士
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
使用者側弁護士として取り組んできた労働・労務・労使問題は、企業法務として注力している主要分野のひとつです。安易・拙速な妥協が災いしてしまった企業の依頼を受け、札幌高等裁判所あるいは北海道労働委員会では埒が明かない事案を、最高裁判所、中央労働委員会まで持ち込み、高裁判決を破棄してもらったり、勝訴的和解を成立させた事例もあります。