その解雇、本当に大丈夫ですか? ― 経営者のための安心・安全な進め方! 使用者側弁護士(札幌)が解説
まずは、要点をご確認ください。
解雇・退職勧奨を進める勘所
――経営者の未来を守るために――
「もう我慢できない。解雇してしまおう」
「退職願を書かせれば簡単に済むはずだ」
――そう考えたことはありませんか?
実は、ここに大きな落とし穴があります。
解雇は経営者が思うほど簡単ではない
- 態度が悪い
- 病気を隠して入社した
- ノルマ未達成
経営者から見れば当然の理由に思えるこれらも、裁判では通用しないことが珍しくありません。
「1か月分の給与を払えば解雇できる」
そう信じている方もいまだにいますが、それは大きな誤解です。
実際には、能力不足や勤務態度不良を理由にした解雇は極めて厳しいハードルを越えなければならず、解雇無効とされた裁判例は枚挙に暇がありません。
安易な判断が企業を追い込む
私は30年以上、使用者側の弁護士として数々の現場に立ち会ってきました。
そこでは、
- 問題社員を解雇した結果、労働組合を結成されて経営が大混乱
- 「退職勧奨」のつもりが強要と認定され、慰謝料まで請求された
- 懲戒解雇したのに退職金の支払いを命じられた
といったケースが、実際に起こっています。
「当然辞めさせられる」
「自分のやり方でうまく進められる」
そう思って動いた結果、取り返しがつかなくなるのです。
退職勧奨も「お手軽」ではない
退職願を書かせたはずが撤回される。
「自主退職に追い込もう」としたら慰謝料を払うことに。
経営者にとっては理不尽に思える判断でも、裁判所は冷徹に「手続の正しさ」「社員の権利」を基準に判断します。
お手軽な対応や世間の噂レベルの知識で進めれば、失敗は避けられません。
経営者に必要なのは「正しい武装」
労働問題は、経営者の常識では通用しない世界です。
だからこそ、経営者は正しい知識と戦略を持って臨む必要があるのです。
もし、いま問題社員の対応に悩んでいるなら、
もし、解雇や退職勧奨を検討しているなら、
一人で判断する前に、どうか専門家にご相談ください。
解雇・退職勧奨を進める勘所
〈経営者側・使用者側弁護士(札幌)の視点2〉
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前田尚一法律事務所 代表弁護士
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
使用者側弁護士として取り組んできた労働・労務・労使問題は、企業法務として注力している主要分野のひとつです。安易・拙速な妥協が災いしてしまった企業の依頼を受け、札幌高等裁判所あるいは北海道労働委員会では埒が明かない事案を、最高裁判所、中央労働委員会まで持ち込み、高裁判決を破棄してもらったり、勝訴的和解を成立させた事例もあります。