【使用者側弁護士前田尚一(札幌)の視点】裁判所での労働関係紛争の解決手続(労働訴訟など)
労働紛争・労使紛争について,当事者間で解決が付かない場合の公的解決制度としては,行政機関によるものと,裁判所によるものがあり,裁判所による民事紛争の解決手続として,訴訟手続(判定)と調停手続(調整)があります。
裁判所の手続となると,提出する書式や出頭等の手続などについて形式的なルールがあることはもちろんですが,訴訟手続(判定)では,請求,主張・証明などについての原理的なルール(「処分権主義」,「弁論主義」,「主張責任」,「立証責任」…)が前提となる上,相手方ばかりではなく,裁判官との駆け引きなども重要となります。
加えて,労働関係紛争では,労使間の大きく異なる価値観や行動パターンを背景とするので,紛争解決するための紛争を起立するルールを定立すること自体が,難しいというのが実情です。
個別労働事件で一般によく見られる事件類型は,次のとおりです。
Ⅰ 雇用契約上の権利そのものが問題となる事件
1 地位確認等請求事件(解雇一般)
2 地位確認等請求事件(整理解雇)
3 地位確認等請求事件(解雇以外の終了事由)
4 配転命令等無効確認請求事件
Ⅱ 金銭請求関係事件
1 解雇以外の賃金請求事件(地位降格,減額等に伴うもの)
2 解雇予告手当請求事件(付加金を含む)
3 時間外手当請求事件
4 退職金請求事件
5 労働災害事件
Ⅲ その他(「民事通常訴訟」以外)
1 保全事件(保全訴訟)
3 少額訴訟
4 民事調停
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前田尚一法律事務所 代表弁護士
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
使用者側弁護士として取り組んできた労働・労務・労使問題は、企業法務として注力している主要分野のひとつです。安易・拙速な妥協が災いしてしまった企業の依頼を受け、札幌高等裁判所あるいは北海道労働委員会では埒が明かない事案を、最高裁判所、中央労働委員会まで持ち込み、高裁判決を破棄してもらったり、勝訴的和解を成立させた事例もあります。