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長時間労働による過労死 運送業界の2024年問題は要対応!

先日、トラックドライバーの男性が長時間労働により死亡した事件が報道されました。遺族は、会社が適切な休息を与えず注意義務を怠ったとして、損害賠償を求めて提訴したとのことです。

報道によると、運送会社でトラックの運転手として勤務していた男性は、2019年にトラックを運転中に心筋梗塞を発症して死亡しました。死亡直前の6か月間でひと月あたりの時間外労働時間は平均で157時間以上、勤務間のインターバルも8時間未満の日が多かったようです。男性の遺族は「会社側が適度な休息時間を与えて健康を損なうことがないよう注意する義務を怠った」などと訴えています。

長時間労働を行うと、疲労やストレスが蓄積し、判断力や注意力が低下するため、労災事故が発生しやすくなるとされています。さらに、長時間労働によって従業員の健康状態が悪化し、過労死や自殺などの労災事故に発展することもあり、長時間労働による過重労働が、職場の安全管理にも悪影響を及ぼすことがあります。このように、長時間労働は労災事故を引き起こす可能性が高く、健康や安全に関わる重大な問題となっています。

長時間労働が発生しやすい運送業には、「2024年問題」が注目されています。「2024年問題」とは、働き方改革関連法によって2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって発生する問題の総称のことです。

労働時間が制限されることで、トラックドライバーの労働環境を改善する良いきっかけとなるように思われますが、運送業者の売上減少や従業員であるドライバー自身の収入減少。それによる離職・転職につながる恐れがあるため、各社2024年に向けた対策に追われています。

以上のように、2024年問題や働き方改革によって、労働環境改善や適切な労働時間管理が重要視されるようになりました。企業の経営と労働者の健康と安全を確保するために、適切な労働環境を整備し、労働時間を適正に管理することが必要です。

2024年問題や働き方改革への対応を踏まえ、労働環境の改善や就業規則整備について、労働問題に詳しい弁護士に相談することは非常に重要です。労使紛争に耐え得る就業規則の作成やチェックなどを行うことができますので、長時間労働が常態化している企業の経営者、労務部門の責任者の方は、まずは使用者側の労働分野に精通している弁護士にご相談ください。

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