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労働審判【使用者側の対応・心構え】

 

「申立書が届いたが、どのように対応すれば良いのか?」
労働審判を起こされると、使用者・経営者の方々は、言い分があるかどうかはともあれ、まずはうろたえるというのが通例です。

従業員、元従業員の言い分は、
「突然、解雇されてしまった。」「未払残業代がある。」「退職金を払ってもらえない。」
などなど様々です。

「裁判官と労働関係の専門家が、3回以内の期日でトラブルの解決にあたります!」と説明されても、
使用者・経営者側としては、具体的対策がはっきりしない、というのが実際です。

労働審判とは

 労働審判は、労働者と使用者(経営者側)における解雇や給料の不払いに関する労務トラブルを、その実情に即し、迅速、適正かつ実効的に解決するための手続とされ、訴訟とは異なり非公開の手続になります。

 審判に対しては、当事者は2週間以内に異議の申し出が可能であり、異議の申し出があれば審判は無効になり、通常訴訟手続に移行します。

 近年では、労働審判の件数は、通常訴訟の件数を上回っており、裁判所で「不当解雇トラブル」や「未払い残業代トラブル」を解決するための制度としては、労働審判が主流になっています。

 

労働審判と労働訴訟

 経営者と労働者の間にトラブルが生じ、話合いでどうしても解決がつかない場合,裁判所での解決を目指すことになります。

 裁判所での解決の方法としては,大きく分けて,労働審判と訴訟手続があります。この2つにはそれぞれ以下のような特色があります。

労働審判

 労働審判は,裁判官1名(労働審判官)と労働関係の専門的な知識経験を有する者2名(労働審判員)によって構成される合議体(労働審判委員会)が,経営者と労働者の話をそれぞれ聞いて解決を図ります(労働審判法7条から9条)。

  労働審判員は,経営者側と労働者側からそれぞれ1名ずつ専任され,公平になるようにされています。もっとも,経営者側だからといって経営者に甘いわけではなく,むしろ経営者側は経営者に厳しく,労働者側は労働者に厳しいようです。

  労働審判は,3回以内の期日において,審理を終結することになっています(労働審判法15条2項)。この点,労働審判は,労働訴訟に比べて迅速な解決が期待できます。

 

 労働審判委員会は,両当事者の意見を聞いたうえで,調停案を出したり,審判を下したりします。

 調停案を両当事者が受け入れたり,審判に対して異議を申し立てたりしなければ(労働審判法21条1項),調停や審判は,裁判所で判決が下されたのと同じような効力を持つことになり,紛争が解決したことになります。

 

労働訴訟

 労働審判に対して,異議を申し立てると(労働審判法21条1項),労働審判の効力は失われ(労働審判法21条3項),訴訟手続へと自動的に移行します。労働審判を申し立てたときに訴えの提起があったものと扱われます(労働審判法22条1項)。

 訴訟では,裁判所が,両当事者の主張を聞き,証拠に基づいて判決を下します。労働審判に比べると,時間がかかります。また,労働審判のように,ざっくばらんに両当事者の話を聞くと言う形ではなく,民事訴訟法に定められた厳格なルールにしたがって,手続が進みます。

 

労働審判制度の通常の手続の流れ

 

  1. 労働者又は使用者は、地方裁判所に労働審判を求める申立書を提出し申立て。
  2. 会社は指定された期日までに答弁書や反論の証拠を提出。
  3. 第1回期日:裁判官や労働審判員が出席した当事者に直接質問するなどして審理を実施。
  4. 第2回期日・第3回期日:裁判所からの調停案の提示と双方の検討。
  5. 調停がまとまらない場合は審判に進行。

 

もう少し深掘りして「労働審判」を知りたい方は、
使用者側から見た「労働審判手続」
前田尚一弁護士独自の視点

  

労働審判を弁護士に相談・依頼する必要性

 労働審判手続は、原則として3回以内の期日で審理を終結することになるため、申立ての段階から十分な準備をして、充実した内容の申立書と必要な証拠を提出することが重要です。

 また、当事者双方は、期日において口頭で弁論を行うことが原則とされ、申立人は、相手方から提出される答弁書や証拠を慎重に検討し、期日において的確な主張と証拠を提出することが重要です。

 さらに、トラブルの内容が労働審判手続による解決に適したものかどうかを見極めることも重要です。

 このように、労働審判手続による解決に適した事案かどうかを適切に見極め、申立ての段階から十分な準備をし、期日において状況に応じた的確な主張、立証を行うためには、法律の専門家である弁護士に依頼することが望ましいと言えます。

 

労働審判対応に当事務所が選ばれる理由

弁護士歴30年を超える経験・実績

 平成元年に弁護士登録をし、平成5年に前田尚一法律事務所を開設しました。弁護士としての実践は、30年を超えることになります。これまで、解雇・退職勧奨、残業代問題、労組対策・団体交渉、労働審判・労働関連訴訟など、労務問題で多くの経験を積み、実績をあげてまいりました。

常時30社以上の顧問契約への対応

 当事務所は、弁護士歴30年を超える豊富な経験と実績を持つ弁護士前田尚一が代表として、企業が直面する問題の予防・解決を始めとし、特に使用者側の労働問題に注力しながら、一人で常時、30社以上の顧問契約に対応し、信頼を得てきました。

経営に専念できるための使用者側でのサポート

 当事務所が、「会社法務」に取り組むのは、経営者・管理者の皆様が、「トラブル」・「紛争」に時間と労力を奪われることがなく、経営に専念できるようサポートするためです。企業法務および労働問題に関して豊富な実績を持つ弁護士として協働し、迅速な対応が求められる労働審判への対応を行い、経営者の方々が経営に集中できるように貢献していきたいと考えております。

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