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解雇・退職勧奨は慎重に!

まずは、要点をご確認ください。

解雇・退職勧奨を進めるポイント
〜経営者側・使用者側弁護士の視点から〜

「この社員、もうダメだ。会社を辞めてもらうしかない。」

そう思った時、あなたは夜も眠れずにいるかもしれません。会社にとって大切な決断ですが、同時に大きなリスクも伴います。もし、間違った判断をしてしまったら、会社は労使紛争に巻き込まれ、多額の損害賠償を請求される可能性もあります。そう思った時、あなたはどのように行動しますか?
解雇は、企業にとって大きな決断です。安易な判断は、思わぬトラブルに繋がり、会社に大きな損害を与える可能性があります。

 

従業員の解雇や退職勧奨は、経営者にとって避けて通れない課題です。しかし、その実施には慎重な判断と適切な対応が求められます。不適切な解雇や退職勧奨は、労使紛争を招き、企業経営に大きなダメージを与える可能性があります。

私自身、これまでの35年以上にわたる弁護士活動の中で、多くの企業がこの問題で苦しむ姿を目の当たりにしてきました。そこで今回は、経営者側・使用者側弁護士の視点から、解雇や退職勧奨を進める際の重要なポイントをお伝えします。

 


解雇は本当に可能か?そのハードルを知る

「能力不足」や「勤務態度の不良」を理由に従業員を解雇したいと考える経営者は少なくありません。しかし、日本では解雇に関する法規制が非常に厳格です。
労働契約法16条では、次のように定められています。

「解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合は,その権利を濫用したものとして無効とする。」

この規定により、解雇を行うには合理的な理由と社会通念上の相当性が求められます。例えば、次のような事例で解雇が無効とされたケースがあります:

  • 業務命令違反を理由に解雇したが、適切な手続きを踏んでいなかった。
  • 労働能力が劣るという理由だけでは不十分で、向上の見込みがないことを証明できなかった。

なぜ、解雇は難しいのか?

日本の法律、判例・裁判例では、解雇は厳しく制限されています。例えば、

  • 能力不足: 単に仕事が遅い、ミスが多いといった理由では、解雇は認められません。
  • 勤務態度不良: 遅刻や無断欠勤を繰り返す場合でも、改善の機会を与える必要があります。
  • 整理解雇: 会社の経営状況が悪化し、やむを得ず人員削減を行う場合でも、厳格な要件を満たす必要があります。

解雇をせずに、円満に退職してもらうには? 退職勧奨もリスクを伴う……

解雇が難しいと感じた経営者が退職勧奨を選択することも多いですが、これも慎重に進める必要があります。不適切な退職勧奨は、従業員から「退職強要」として訴えられるリスクを伴います。たとえば:

  • 別室に隔離し、自主退職を促すような環境を作ったケース(慰謝料が認められた例あり)。
  • 「退職願」を書かせたが、従業員がその後撤回し、有効とされた事例。

これらの事例は、表面的には解決が進んでいるように見えても、法的には無効となる場合が多いことを示しています。

退職を勧める場合であっても、慎重な対応が必要です。

  1. 退職勧奨の目的: 退職を促す理由を明確にし、従業員に納得してもらう必要があります。
  2. 退職条件: 退職金や失業保険などの条件を提示し、従業員の不安を解消する必要があります。
  3. 誠意ある対応: 従業員との信頼関係を築き、円満に退職を促す必要があります。

トラブルを未然に防ぐために:解雇を検討する際の注意点

解雇や退職勧奨が紛争に発展するのを防ぐには、次のポイントを押さえることが重要です:

  1. 公正妥当な手順を踏む:適切な就業規則の規定に従い、や事前の警告を従業員に意見陳述の機会を与え、公平な判断を行う必要があります。
  2. 法的な根拠をしっかり固め、証拠を確保する:解雇事由が明確で、客観的な証拠が必要。問題の経緯を記録し、後の紛争に備えます。
  3. 専門家の意見を取り入れる:早い段階で弁護士や労働問題の専門家に相談することが不可欠です。
  4. 労働組合との交渉:労働組合がある場合は、事前に協議を行う必要があります。

当事務所では、経営者の視点に立ったアドバイスを提供し、企業が円滑に問題を解決できるようサポートしています。

 


なぜ、弁護士に相談すべきか?

解雇や退職勧奨は、法律問題だけでなく、人材問題、労務管理問題など、様々な側面から検討する必要があります。弁護士に相談することで、

  1. 法的なリスクを最小限に抑える
  2. 適切な手続きを踏む
  3. 従業員とのトラブルを円滑に解決する

といった効果が期待できます。


当事務所の強み・取り組み

  1. 豊富な経験と実績: 数多くの解雇・退職勧奨案件を扱ってきた実績があります。
  2. 早期解決: 問題を早期に解決し、企業の負担を軽減します。
  3. 丁寧な説明: 法律用語を避け、分かりやすく丁寧な説明を心がけています。
  4. 信頼関係の構築: 継続的なお付き合いを通じて、信頼関係を築き、長期的なパートナーとして共に成長していきます。

当事務所は、35年以上にわたり、多種多様な企業法務や労使紛争を取り扱い、企業の顧問弁護士を務め、常時、代表自身が30社以上の企業に直接に対応してきた実績・経験があります。その中で、単なるトラブル解決だけでなく、企業の長期的な成長を見据えたアドバイスを行うことを重視してきました。

労働問題や解雇・退職勧奨に関するご相談・弁護士顧問契約はもちろん、現在の顧問弁護士に満足できない方にはセカンド顧問サービスも提供しています。

トラブルが大きくなる前に、ぜひ当事務所にご相談ください。経営者の皆様が安心して事業に専念できるよう、全力でサポートいたします。

 


【お客さまの声】

その1 病院経営者・68歳・男性

「労使関係に関わる問題で裁判となると微妙な案件について経験豊富な先生の巧みな交渉術で納得のゆく解決にまとめていただきました。クライアントに媚びない話し方に私は信頼を置きました。」

その2 会社経ご子息ご子息(専務取締役)・40代・男性

会社は、札幌以外の地方都市にありますが、先生とは顧問契約を結び、一泊二日で札幌に赴き、毎月一度のコンサルを受けさせてもらっています。

話は多岐に渡りますが、毎日仕事に追われている中で現場を離れ、私なりのリラックス、ストレス解消の機会にもなっています。

さて、お付き合いの始まりは、もう10年以上前になります。
父の経営する会社で、現場従業員のAの解雇問題で、労働組合が結成されました。 私は専務になったばかりのころで満28歳のときでした。 社長である父が側近として雇ったBが、本人が言うほどに営業の成績を上げることが出来ないことから、父との関係が悪くなっていたころに、ちょうど解雇問題がおきたのです。 Bが音頭をとって、他の従業員ほとんどを引き入れ、地元の上部団体に駆け込み、組合を結成し執行委員長となったのでした。

2回目の団体交渉から私が対応することになり、ほとんど一人で団体交渉に臨むことになったのです。 団体交渉で、相手をするのは組合員となった従業員だけではありません。もう60歳近い闘志を始めとする数名が上部団体からの会社に乗り込んできて、数々の要求をしてきたのです。
当初はどのように対応したらよいか全くわからず、問題解決のため真正面から対応しようとしたのですが、10数名からただただ罵倒される日々が続いたのでした。
正直、その日の団体交渉を終え、家に帰って大好物のビールを飲んでも美味しく感じず、酔うこともできず、眠れない日々が続きました。

そのようなとき、信頼できる方の紹介で先生に対応をお願いし、同席してもらうようになり、流れが変わりました。
私だけのときは、組合はただただ罵倒して一方的に有利な要求を何か私に約束させようとばかりしていました。 先生が出席するようになってから、そうもいかなくなりました。 すると今度は、手を変え、専務ではなく社長を出せとか、会社の決算書をだせとか、会社からすると本論とは関係がないと思われることばかりを要求してきました。 2、3か月綱の引き合いはありましたが、先生には、2、3度出席してもらった結果、社長が出席することも、決算書を提出することもなく、解雇問題については、妥結することができました。

しかし、一旦組合ができた後は、何を決めるにも組合を通せということになり、賃上げ時期になると春闘で団体交渉を繰り返すということになりました。
一度は、組合が突然ストを行うといって,シンパが何十人も会社の回りに集まったこともあります。しかし、会社としても大変でしたが、そのときも一応の手配をし、組合の思うがままにはならないよう対応できました。

三度、労働委委員会までいったこともあります。
その場でも、組合側は分が悪くなると、専務ではなく社長を出せとか、会社の決算書をだせと言い出します。 このときも、上手く対応していただき、このような相手方の要求に応じることなく、会社が想定した内容で解決することができました。

結局、その後まもなく、Aは個人的理由で退職しました。
その後、Bと他の組合員が組合費のことで対立したとのことで、B以外の組合員全員が組合を脱退しました。
まもなく、病気を理由に会社をさぼっていたことがばれたBは、会社を退職しました。
そのため、組合は自然消滅し、今は存在していませんが、労働問題は全く発生していません。

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