カルビーなどにみるテレワーク導入と今後の労働環境の変化:札幌の弁護士が企業側・経営者側の対応・心構えを相談・アドバイス
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こちら。
「カルビー、単身赴任解除も 在宅勤務、無期限で延長 出社率3割に」
(毎日新聞電子版 2020年6月25日 21時54分(最終更新 6月26日 00時11分))
⇒ https://mainichi.jp/articles/20200625/k00/00m/020/340000c
「派遣社員も在宅拡大 大手で最大5割、ルール整備進む」
(日経電子版 2020/6/25 22:49 (2020/6/26 5:47更新))
⇒ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60816250V20C20A6MM8000/
いずれも,テレワーク・在宅勤務の拡大を,プラスに評価し,讃える記事です。
業務効率化の効果があるとして,テレワーク・在宅勤務の本格的な導入が大きな流れになりそうです。
「テレワーク・在宅勤務」も,コロナ禍・非常事態時を想定してた「労務問題」の重要な一つとして取り上げられてきたものです。
テレワーク・在宅勤務は,コロナ禍・非常事態時において,企業が労働者の安全配慮義務を遵守する上で自宅待機を実施せざるを得ない部面での苦肉の策・便宜的措置という意味合いも濃かった。
しかし,実際に実施してみると,労使双方において思ったより上手くいったというのが社会的雰囲気。
ただ,コロナ禍における企業の売上減・収益減の現実において,これまで逃れられなかった「人手不足」が本当に課題であったのかという認識の明確化,そして,コロナ自体が収束したからといって,景気の悪化は長期化し,当分回復しないであろう現状において,「人余り」そして「人減らし」を前提とする経営構造への転換が大きな流れにもなりそうです。
そこで,改めて,テレワーク・在宅勤務の本格的な導入という大きな流れを観察すると,目に見える場面では,業務効率化が強調されるけれど,「人減らし」に向けた踊り場の設定にも見えてくるのです。
おそらく,これまでのオフィスワーク・出社を前提とした実態より,テレワーク・在宅勤務の労働環境の方が,「人員縮小策」の実施が容易であろうと思われるのです。
そして,「人員縮小策」の実施は,労使対立の場面,しかし,「テレワーク・在宅勤務」は,労働者の側からも,通勤の苦痛がなくなるなどと高評価で,企業としても導入しやすい。
いろいろ思い付きで考えを巡らすと,テレワーク・在宅勤務の「本格的な導入」といった場面は,「業務効率化」の効果という一つの文脈があるとしても,もうひとつ並行して,「人員縮小策」への踊り場,準備検討プロセスではないか,私には,そのように見えてくるのです。
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