懲戒

 

問題を起こした社員に対して,懲戒処分をしたくなることもあるでしょうが,何をしてもよいわけではありません。

 

「懲戒処分」とは,従業員の企業秩序違反行為に対する制裁罰であることが明確な,労働関係上の不利益措置を指します(菅野和夫『労働法』11版,658頁)。

懲戒の種類としては,懲戒解雇,論旨解雇,出勤停止,減給,戒告,訓告などがあります。

企業が懲戒をする権限について,裁判所は,「使用者の懲戒権の行使は,企業秩序維持の観点から労働契約関係に基づく使用者の権能として行われる」としています(ネスレ日本事件‐最二小判平18・10・6労判925号11頁)。したがって,企業の懲戒権の行使は,懲戒の事由と手段を就業規則に定めて,労働契約上の合意内容とすることによってはじめて可能となります。また,就業規則に定めているからといって自由に懲戒できるわけではなく,裁判所に懲戒権の濫用と評価されれば,その懲戒は無効となります。

 

懲戒にはどんなものがあるでしょうか。以下,菅野和夫『労働法』661頁から664頁によります。

 

「けん責」とは,「始末書を提出させて将来を戒めること」をいい,「戒告」は,将来を戒めるのみで,始末書の提出を伴いません。

 

「減給」とは,労務遂行上の懈怠や職場規律違反に対する制裁として,本来ならばその労働者が現実になした労務提供に対応して受けるべき賃金額から一定額を差し引くことをいいます。

 

「出勤停止」とは,服務規律違反に対する制裁として労働契約を存続させながら労働者の就労を一定期間禁止することをいいます。

 

「懲戒解雇」とは,懲戒処分の極刑であって,通常は解雇予告も予告手当の支払もせずに即時になされ,また退職金の全部または一部が支給されません。懲戒解雇は,「懲戒」の名が付されることによって秩序違反に対する制裁としての解雇たることが明らかにされ,再就職の重大な障害となるという不利益を伴うことである。

 

「論旨解雇」とは,懲戒解雇を若干軽減し,依願退職のような形式をとる。

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