懲戒処分(一般)

 

   懲戒処分をするには、まず、就業規則に定めておくことが必要です。そして、就業規則が法的規範としての性質を有するものとして拘束力を生ずるためには、その内容を、適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が必要とされています(フジ興産事件 最判昭和平成15年10月10日)。

   さらに、減給処分については、労働基準法91条による制限もあり、行政解釈によれば、賞与を言及する場合につきましても、同様の制限に服するとされていますし、そもそも、懲戒処分については、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」は懲戒権の濫用として無効とされます(労働契約法15条)。

 

   懲戒処分の種類には、懲戒解雇・諭旨解雇・降格・休職・出勤停止・減給・戒告・訓告・けん責などがあります。

   懲戒権の根拠としては、広く企業秩序を維持し、もって企業の円滑な運営を図るために、その雇用する労働者の企業秩序違反行為を理由として、当該労働者に対し、一種の制裁罰である懲戒を課することができる(関西電力事件 最判昭和58年9月8日)こととされています。

 

   懲戒事由については、就業規則上列挙されており、包括的な表現がとられていることが多いですが、裁判所は、具体的にこれらの事由に該当するかの判断にあたり、労働者保護の見地から限定的に解釈する傾向にあります。

   主要な懲戒事由としては、経歴詐称、職務懈怠、業務命令違背、業務妨害、職場規律違反、従業員たる地位・身分による規律の違反等が考えられます。

 

   懲戒処分の有効性として、当該懲戒が、懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を書き、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は無効とされます(労働契約法15条 懲戒権濫用法理)。

   その具体的な内容としては、1.懲戒処分の根拠規定の存在、2.懲戒事由への該当生、3.相当性

が必要となります。

   懲戒処分は、労働者に経済的不利益を与え、名誉・信用を害して精神的苦痛を与える措置でもあります。

   よって、懲戒権の濫用と評価される場合には、処分の無効に加え、使用者及び責任者が不法行為責任(民法709条)を負う場合があります。

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