雇用における男女の平等

 

   労働基準法4条では、使用者は労働者が女性であることを理由として、賃金について男性と差別的取扱いをしてはならない、とされています。

   労働基準法上は、女性の保護基準として、時間外・休日労働、深夜業、危険有害業務、産前産後の休業等について、女性に関して男性とは異なる取り扱いをしていますので、3条の均等待遇原則ではなく、4条の賃金に関する規定において、男女同一賃金原則として平等が定められています。

   つまり、本規定により禁止されている差別は、賃金に関する男女の差別的取扱いですので、採用や配置、昇進等に基づく差別つきましては、本条の原則に反することにはならず、男女雇用機会均等法や男女平等の公序法理等で規制がなされています。

   また、本条は、男女が同一労働に従事していることを要件としていません。

   そして、差別的取扱いとは、有利不利を問わないと考えられていますので、賃金につきまして、女性を男性より有利に取扱うことも本条で禁止されますので、本条は、男性・女性双方を保護の対象としていることになります。

   この、男女同一賃金原則の違反に関しましては、まず、同原則に反する行為は無効となります(強行規定)。したがって、就業規則や労働協約等で、男女同一賃金原則に反する規定を定めても無効となりますし、それにより損害が生じていれば不法行為責任も生じます。

   さらに、男女同一賃金原則違反に関しましては、刑罰規定も存在します(労働基準法119条)。

   賃金以外の男女差別につきまして、適用される男女平等の公序法理とは、契約の自由に公の秩序をあてはめる民法90条をもとに、男女平等取扱いの原則を、公の秩序の一内容であるとするものです。

   裁判所によりますと、結婚退職制について、性別による差別的待遇の禁止と結婚の自由の保障は公の秩序を構成しているとしたもの(住友セメント事件 東京地判昭和41年12月20日参照)、定年制度について、女性若年定年制は、正当化する特段の事情が認められない以上、著しく不合理な男女の差別をなすもので、公の秩序に違反するとしたもの(東急機関工業事件  東京地判昭和44年7月1日、日産自動車事件 最判昭和56年3月24日)などがあります。

   そして、この法理の適用範囲は拡大されており、整理解雇や昇格差別にも及んでいます(コパル事件 東京地決昭和50年9月12日、社会保険診療報酬支払基金事件 東京地判平成2年7月4日)。

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