減給に関する規制

 

減給処分につきまして、労働基準法91条は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない、としています。 行政判断としましては、1回とは、懲戒対象となる1つの事案に関しまして、減給の総額が平均賃金の1日分の半額以内でなければならないという意味とされています。 平均賃金の算定につきましては、減給処分の意思表示が本人に到達した日を基準として行われることとされています。 この点に関しまして、平均賃金の1日分の半額を超えた減給処分は同条に違反し、無効とされます(日光産業ほか1社事件 大阪地堺支判平成22年5月14日)。 総額の制限に関しましては、1賃金支払期に発生した複数事案に対する減給の総額が、当該賃金支払期における賃金の総額の10分の1以内でなければならないという意味とされています。 1賃金支払期における賃金の総額とは、当該賃金支払期に対し現実に支払われる賃金の総額をさすとされています。 ですから、遅刻や早退があった場合には、その時間分に対応する賃金は発生しませんので、減額分を控除した賃金総額を基礎として10分の1が減額の制限となります。 また、遅刻や早退は、賃金が発生しないため、91条の減給制限の適用はありませんが、その時間分に対応する賃金額を超える減給は制裁とみなされ、同条の減給制限の適用を受けることとされています。 出勤停止の場合につきましては、その賃金不支給は減給処分とは異なりますので、91条は適用されないこととなります。なぜならば、出勤停止は、本来出勤すべき日の出勤を停止する処分ですから、ノーワーク・ノーペイの原則により、そもそも賃金が不発生となり、就労して発生した具体的な賃金を減額する減給処分と異なるからです。 降格処分の場合につきましては、賃金は減額となりますが、賃金の低下が十全の職務に従事せしめつつ賃金のみを減ずる趣旨であれば91条の適用がありますが、賃金の低下が職務の変更に伴う結果であれば同条の減給制限にあたらないとされています。

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