出向(出向命令権の濫用)

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出向命令は、出向命令権が労働契約上認められるものであったとしましても、出向命令権の行使が権利の濫用とならないことが必要となります。 労働契約法14条は、使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする、と規定しています。 そして、その他の事情とは、対象労働者の不利益や手続の相当性などが挙げられます。 使用者の出向命令と権利濫用の有無に関しまして、裁判所はその具体的基準として、転勤命令に関する判断と同様に、当該命令につき業務上の必要性が存しない場合または業務上の必要性が存する場合であっても、当該命令が他の不当な動機・目的を持ってなされたものであるとき若しくは労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるときなど、特段の事情の存する場合でない限りは、当該命令は権利の濫用になるものではない(東亜ペイント事件 最判昭和61年7月14日)という判断基準を採用していると考えられています(JR東海中津川運輸区事件 名古屋地判地判平成16年12月15日)。 出向命令が権利の濫用と判断された事案としましては、就業規則等に出向に関する規定がなく、その法的根拠自体を欠く無効なものであるか、法的根拠があるとしても出向命令に業務上の必要性が認められないことから権利の濫用にあたるとされたもの(日本レストランシステム事件 大阪高判平成17年1月25日)、出向先企業の職務内容から、労働者の身体的な負担を理由に権利の濫用を認めたもの(JR東海事件 大阪地決平成6年8月10日)、退職に追い詰めるという不当な動機・目的を持って行われたもの(平成6年17年9月16日)、病状が他の地域への転居を許さない母の世話を1人でしていることを理由に、転居を伴う出向命令を拒否したことが正当な理由であるとされた(佐世保重工業事件 長崎地佐世保支判昭和59年7月16日)などが存在します。

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